コーヒーやお酒は心臓に悪いのか?循環器内科医が解説します
「コーヒーは心臓に悪いので控えたほうがいいですか?」「お酒は少しなら心臓に良いと聞いたことがあります」。循環器内科の診察では、このような質問をいただくことがあります。
結論からいうと、コーヒーもお酒も「飲む量」と「その人の体質や病気」によって心臓への影響が変わります。
コーヒーは心臓に悪い?
コーヒーに含まれるカフェインには、交感神経を刺激して一時的に血圧を上昇させたり、動悸を感じやすくしたりする作用があります。そのため、「コーヒー=心臓に悪い」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、適量のコーヒーを飲む習慣がある人では、必ずしも心血管疾患のリスクが高くなるわけではありません。むしろ近年の研究では、適度なコーヒー摂取と心血管疾患リスクの低下との関連を示した報告もあります。
一方、コーヒーを飲んだ後に動悸が強くなる、血圧が上がる、眠れなくなるという方は、量を減らしたり、カフェインレスコーヒーに変更したりするのがおすすめです。特に不整脈や高血圧がある方は、自分の症状をみながら調整することが大切です。
「少量のお酒は心臓に良い」は本当?
以前は、少量のアルコールを飲む人は心筋梗塞などが少ないという研究から、「適量のお酒は心臓に良い」といわれることがありました。
しかし現在では、健康のためにあえて飲酒を始めることは推奨されていません。アルコールには血圧を上昇させる作用があり、飲酒量が増えるほど高血圧や心房細動などの不整脈のリスクが高くなります。大量飲酒を長期間続けると、心臓の筋肉が弱くなる「アルコール性心筋症」の原因になることもあります。
また、一度に多量のお酒を飲んだ後に心房細動などを起こす「ホリデーハート症候群」と呼ばれる状態も知られています。
大切なのは「自分に合った量」
コーヒーもお酒も、すべての人が一律に禁止する必要があるわけではありません。ただし、「体に良いから」と積極的に量を増やすものでもありません。
特に、高血圧・不整脈・心不全などの心臓病がある方、コーヒーや飲酒後に動悸を感じる方は注意が必要です。
動悸や脈の乱れ、胸の違和感などが繰り返し起こる場合は、「コーヒーを飲みすぎただけ」「お酒のせいだろう」と自己判断せず、一度心電図などで確認することをおすすめします。
一宮市のすぎうら内科ハートクリニックでは、高血圧や不整脈、動悸、胸痛などの循環器疾患について診療しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。